何がイヤだったのか考えてみる(その2・民主主義)。

日創研の研修を嫌っているのは、まずわたし個人であることを書いておかなくてはならない。事実、夫は、研修を受けた直後、とてもいい「受講生」(わたしの言い方で言うなら「信者」)だった。

この夫に、わたしは言葉を尽くして自分の感じている嫌悪感を説明した。

かの研修の実体が「自己啓発セミナー」であることが、わたしの嫌悪感のいちばんの原因。

建前上、研修内容は受講者以外には秘密になっているんはず(ここもわたしの嫌悪感を刺激するところ)ですが、夫に聞かなくとも、ありがたいことにネットには、多くの情報が転がっている。「ネットは広大だわ」。

その研修内容とは、15年以上前に発行された本にも書かれている「自己啓発セミナー」(もちろん、日創研とは違う団体)の研修内容とまるっきり同じ。わたし主観でいうなら「気持ちのわるい催眠商法」。精神的に高揚させて、高級布団を売りつけるのと同じ。布団は売りつけられないが、冷静さを失わせて、ポジティブシンキングを植えつけられる。結果、「過去の自分と決別して、やる気あふれた自分」になれたと思えるようになります。

「自分は変わりました」。

そして、上位のセミナーを「売りつけられる」。「変わってウレシイでしょ? もっと変わろうよ」ってことで。

夫の職場が、こういうセミナーを使って社員教育をするということを知るずっと昔から、学生の頃からわたしは、「セミナー、宗教、マルチ商法、洗脳、マインドコントロール」といったキーワードが出てくるようなノンフィクションを、よく読んでいた。

わたしは、そういうものを読まないタイプの人よりもはるかに強い嫌悪感を持っていたんだと思う。そして身近な周りを見渡してみるに、そういう本を人生のどこかで一冊でも手にしているようなひとは、ひとりもいない。わたしは圧倒的少数派なのですよ。民主主義なので、わたしは負けです。

でも夫婦間では民主主義は通用しません。1対1では常にドローだから。まあいろいろあって、夫はこういう研修のない職場に転職したわけです(もちろん面接の際に確認)。逃げ場があってよかったな。多様な価値観が認められた、数の上での弱者にも優しい今の世の中に感謝しつつ、続きはまた今度。